非正規経験のみ、吃りがある30代男性の転職相談。自分の思い込みが縛るもの

転職相談の現場からシリーズ。

昨日のご相談は30代男性。非正規(工場)勤務経験のみ。
年齢も考えて次こそは「正社員」で仕事をしたいというお悩み、です。

そこでの会話で気づいた「本人の思い込みブロックの怖さ」と
「営業NO1の意外な素顔」についてです。

私の勤務する職業訓練校は事務的な資格を学ぶところ。
そのため生徒さんは女性中心ですが、男性も数人交じることがあります。

多くの方は「正社員」「事務職」で転職探しをするという共通点があるのですが、
現実は・・・

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男性の事務職への転職は厳しい

と言わざるを得ない状況です。

どうしても事務=(暗黙の了解で)女性の募集、という形態が多いですし、
給与も安めなので、一家の大黒柱となりやすい男性には給与面でも厳しくなりがち。

もちろん、「経理部の部長」みたいに男性の事務職スペシャリストも世の中にはたくさんいます。
けれど、大半は新卒から入社した会社で働いているケースが多め。

スキルや経験があれば、そういったポジションでの転職も有りますが
「未経験」で「事務職」に30代からの転職、というのは
女性は現実的なのに対し、男性ですと「狭き門」になりがちなのです。

そこで男性求職者が取る道は・・・

①経験がある業界に関連した仕事をする(同業他社ってこと。給与面では一番高くなるケースが多い)

②事務的な仕事を探す(会計事務所で営業をしつつ、担当先の経理は自分が担当する等。
完全なデスクワークではないが、事務的な仕事内容も多くなる働き方)

③未経験でも可の(事務職以外の)仕事を探す

大まかに言うと、この③つのどれかに分かれます。

今回の男性Nさんは、未経験から「事務職」を目指して学校に入りました。
今までの勤務はすべて工場で、いわゆる非正規勤務。

上記のような男性ならではの現状をお話した上で、

「なんで事務職がいいの?」
と聞いてみました。

返ってきた答えは・・・

「自分は吃りがあるので、人と話す仕事は無理だから」

と、きっぱりしたもの。

えええー!

私はびっくり!!

なぜかというと、毎回(男性にしては珍しく)Nさんとの面談は盛り上がり、
時間オーバーだったからです。
(私だけでなく、他の担当の時もそうでした)

男性は自分のことを話したがらないか、
自慢話を並べるか、、、

女性と比べて面談が盛り上がらないケースが多いのですが(苦笑)
Nさんは非常に話が面白く、私の話もきちんと耳を傾けてくれる方で
楽しい時間が過ごせていたのです。

どもり・・・??

吃っているシーンも全く記憶にありません。

ですが、彼いわく
「緊張すると吃ってしまうから」ということ。
それが原因で、学校を卒業してからはずっと

人とかかわらない仕事=工場勤務

を選んできたのだとか。

どんな働き方をしても、もちろん本人の自由です。
工場での働き方が好きだったり、自分が望んだ道ならそれがベスト。

ですが「自分は○○だから▲▲しかない」と決めつけて選択肢を狭めてしまうのは
非常にもったいない。

人懐っこい丸顔で誠実な性格のNさん。
お客さんを相手にするお仕事であっても十分に信頼を得られるはず。

そんな私の思いを伝えたら、
「えー?そうなんですかー?」
と心底意外そうな顔をしつつも、微笑んでくれました。

そんなとき、ふと思い浮かんだ
「私が出会った『営業N01の人たち』」のこと。

Nさんが
「人と関わる仕事は話がうまい人でなければダメだ」と頑なに思っていることから、
思い出した面々は、決して話がうまい、スマートな人達ではありませんでした。。。

その人達については次の記事へ
ゴキブリ駆除とキャバクラ。営業No1女子たちの秘訣とは

【補足】

Nさんには言いませんでしたが、吃りというと思い浮かぶのは寺山修司の言葉。

⇒参考記事 コンプレックスは克服するのではなく光を当てよ!寺山修司「家出のすすめ」

精神の屈折のない子になんで明日を任せられるものか!
君よ、どもりたまえ!

今でも暗唱している言葉です。
何十年立っても色褪せない、寺山修司の言葉たち。
大好きだなあ・・!

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