幸せな子持ち主婦にも【家出のすすめ】家出の目的とは精神的自立にあり

私は家出をしたことが、人生で2回ある。

一度は、夫の不倫が発覚したとき。
といっても最初の発覚ではなく、別れたといった相手と本当は切れていなかった事が再発覚したとき。
妊娠8ヶ月のお腹を抱えて、一人、ビジネスホテルに泊まっていた。

もう一回は遡ること、それよりだいぶ前。
東京生まれ東京育ち(といっても、都内から離れた緑の多い地域ですが)な私。
あえて、地方で就職することを決めた。

「それって家出とは言わないやん!」
というツッコミも聞こえてきそうですが、私にとっては大きな「家出」という決断。

親からは
「せっかく東京に住んでいるのに、わざわざお金をかけて地方に行かなくても・・・」と言われた。
けれど私の決意は固かった。

とはいえ勤めた会社はブラック企業で、2年後にのそのそと実家に戻ってきたのだけど(´∀`)

再就職した会社では
「けむりちゃん(私)が前職に地方で働いていたのは、男を追いかけていったからだ」
と飲み会で話題になっていたと聞かされた。

地方の大企業ならともかく、わざわざ地方の「学習塾」に就職したのには、それなりの理由があるはず!

=好きな男をおいかけたに違いない

とおっさん達は結論づけたそうな。(昭和か!!)

が!!
残念ながら追いかけるような男もいなかった、サエない私。

家出のモチベーションは、紛れもない、彼の影響だったのだ。

1960年代を代表する、劇作家・歌人など多様な分野で異彩を放った天才児、寺山修司。

彼による、家出のすすめとは、この本。

(画像をクリックで本の紹介ページに飛びます↓)

この本が発売された当時、影響を受けて田舎から東京に家出したものが続出したらしい。

結局2年ちょっとで出戻ってきたけど、
意気込んで勤めた先はブラック企業だったけど、
東京の実家に居たほうが、絶対にお金は貯まったはずだけれど、
それでも、私はこの1回目の家出をして良かったと心から思っている。

そして今。
三人の娘に囲まれ、夫がいて、実母に近いところに新居を構え、平和に暮らしている。

が、最近自分の中から聞こえてくるささやき・・・

それは、

幸せ(風)な人生だからこそ、「家出精神」を忘れてはいけないのではあるまいか!!

とはいえ家出とは、物理的に遠くに行けばいいだけってもんじゃない。

では、(寺山に影響された)私の思う家出とは何か。
(寺山修司の文章は解釈が難しいので、私なりに解釈してるだけなのをご了承ください)

2回目の家出のような、やむにやまれず、致し方なく家を飛び出したという(ごく一般的な)家出を目指すわけではない。

あくまで思想というか、心持ち、なのだと思っている。

その目的は、逃げるためではなく

「ひとりの人間として自立する」ということ。

この「精神的自立」という点で考えるならば

一人暮らしをしていても、
自分で全ての生活費をまかなっていても、
立派な仕事を持っていても、

それでも「家出」出来ていない人もいる、ということになるし、

家族と暮らしていても、
一銭も稼いでいなくても、

「家出」出来ている人もいる、と言えるのではないだろうか。

家=無意識のうちにある、慣れ親しんだ価値観や常識、当たり前のもの

ではないかしら。

その意味では、私は家出経験はあるものの、家出「本来の目的」を達成できたわけではない。

つまり、精神的に自立したとは言えない。

実家を出てみたものの、行動の基準は外側にあった

◆上司がこう言うから〜
◆新卒ですぐ仕事をやめてはいけない(という常識)だから〜
◆自分はどうせ無力だから〜

と言ったように、自分の内側から出てくる声に耳を傾けることはなく、
真に自立を身につけようと戦うこともなく、生きてきた。

そんな自分と本気で向き合うようになったのは、その数年後、夫の不倫に直面してから。

これからどう生きるか、を真剣に模索しはじめると、向き合わざるを得なかったのだ。
情けなくて色んな物に依存して生きている自分に。

その時の学び。
これからも私自身が深めていくべき学び。

それを考えるとき、「家出」というキーワードはひとつ、大きなヒントになるのではないか。

改めて寺山修司の本を開きながらそんな思いを強くしているこの頃。

家出のすすめには、こうある。

「家出」したところで、それから先の目標も計画もなければ何もないという人、「東京へ行くな、故郷を守れ」と書いた詩人、そして「家出するなら、お母さんもいっしょに行ってあげるよ」などと猫撫で声を出すママゴン、衝動をいましめよ、と忠告する教師(中略)家出する必要もないんです」と変声以前の声で話す孝行息子――あなたたちは、何もわかっちゃいないんだ。
全く何も目標も計画もさだまっていないからこそ、計画を組み立てなければならないのであり、幸福な家庭であるからこそ、それを超克しなければならないのです

寺山修司.家出のすすめ(角川文庫)Kindle版.

幸福な家庭であるからこそ、しなければならない家出。

私で言えば、3人の幼子を持つ主婦だからこそするべき家出とは・・・!

そんなことをつらつら考えている秋の夜長であります。

読んでくださりありがとうございますヽ(´▽`)/

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