友達がいない(元)女の子の、お気に入りの言葉たち

私は友達がいない。

いや、数人はいるのだけれど。少ないほうだと自分では思っている。
私って「友達がいないなあ」って思う方がしっくりくる。

でも自分の認識と相手の認識が違うこともある。

「あの人は(交流はあるけれど)友達ではないよ」と夫に言ったら、

「ひどい!!性格悪い!!」

みたいなことを言われた。

友達のように仲が良さそうに交流しているのに、心の中ではそう思っていない。
相手は私のことを友達と思ってくれてるはずなのに。

なんて冷たくて二重人格なやつなんだ!!!と夫は思ったらしい。

言われてみればその通りです・・・!!

降伏すると同時に考える。
「友達」の定義って人によって全然違うのではないだろうか。

一緒にお買いものに行ったり、ご飯を食べに行ったり、
ママさんで言えば、子供と一緒にお出かけしたり。

こんな私と行動を共にしてくれる方たちに対しては、私なりに心から感謝している。
願わくば、平和な交流を続けていけたらいいなあと心から思う。

じゃあ、そういう人がみんな「友達」か?というと、

わからない。それが本音。

あなたのこと、「友達」と呼ばせていただいて良いのでしょうか??

と本人に聞くのも気が引けるので、自分の中では勝手に定義している。

友達、とそれ以外に。

それ以外=

ご近所さん、とか
前の仕事の後輩、とか
子供の同級生のママさん、とか。

では、どんな人が「友達」の定義なのか。

私の場合は「心からの言葉で話ができる人」

時事問題とか芸能人とか最近の流行りとか、
外側の出来事ももちろん私の人生の一部なのだけれど、

それだけではなくて。

自分はこんなことを悩んだり迷ったりしていて

こんな経験をしてこんな思いをして

こんな風に生きていきたくて。

そんな「心」をさらけ出せる人・・・

「本音トークができる」って言葉であっさりまとめられそうだ(笑)

私はきっと「友達」に求めるハードルが高いんだろう。
そのくせ、普段は全世界に嫌われないように生きている(つもり)からタチが悪いんだ。

もっと自分のダメさとか、黒さとかを表に出す勇気があったならば、
もうちょっと友達が多いのかもしれないなーー

その勇気があったならば、
どんな場所でも、
ネットを介したこういうブログでも、
「友達」との出会いは必ずあるのだろう。

私の「友達」観に大きな影響を与えたのは、寺山修司という人。

人生で出会った、一番好きな詩。

流れ星のノート    寺山修司

果物屋の店先には かならず傷のついたリンゴがまじっています
同じ一房の葡萄のなかにも 一粒か二粒の痛んだものがかならずある
人生も同じことです
同じ日に同じ町に生まれても
すべて順調にいく人と 何をやってもうまくいかない人とがある
ここにおさめた傷ついた果実たちを
運がわるかったと言うのは 当たっていないでしょう
彼女たちは より深く人生を見つめ
その裏側にあるものまで見てしまったのです
そして
そんな詩を書ける人こそ
ほんとの友だちになれる人なのではなかろうか

(寺山修司少女詩集 「愛する」より)

↓画像クリックで本の紹介に飛びます

※こちらの記事にも登場した詩でした↓
ひとりぼっちが辛かったら・・・届けたい、寺山修司の詩

この詩を初めて読んだ時の衝撃を今でも覚えている。
思春期、心も体もだるくて一人ベッドで寝ながら読んでいたこと。
もうとっくにこの世にはいない人(寺山修司)が
親よりも、クラスの友達よりも、誰よりも、その時の私を励ましてくれた。

言葉を通しての「出会い」
私にとって寺山修司は、「友達」だったのだ。

そしてそれ以降、私の中の「友だち」とは

=「ほんとの友だち」

に定義されてしまったのだ。

私の数少ない「友達」の顔を思い浮かべるとき、いつもこの詩が同時に浮かぶ。
最近見かけることの少なくなった、ひなびた八百屋さんの姿とともに。

寺山は、こうも言っていた。

生きることは出会うことです。
それを恐れて一体何が始まるというのでしょう。

出会い、というのは生身の人間だけではないことを教えてくれたのが、寺山修司だった。
図書館で、本屋の片隅で、CMのフレーズで、電車の中吊り広告で・・・

言葉とは、人生を支え、変容させてくれる「出会い」の一つなのだ。

言葉については寺山に、こんな詩もある。

けむり

言葉で
一話の鴎(かもめ)を
撃ち落とすことができるか

言葉で
沈む日を
思いとどまらせることができるか

言葉で
バルセロナ行の旅客船を
増発できるか
言葉で
人生が始まったばかりの少女の薄い肩を
つかむことができるか

私は
悲しくなると
けむりを見ている

(寺山修司少女詩集 「愛する」より)

一人でもいい、
孤独に悩む人を
そんな「友達」を
優しく励ませるようなことばが書けますように。

そんな願いを胸に、
拙ブログの再編を模索している私、けむりでした。

他にも寺山の詩をご紹介しています。
子育てママや学生さんにも!寺山修司、おすすめの詩「寺山修司少女詩集」

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