寂しさと共に生きる知恵とは。信田さよ子「タフラブという快刀」に学ぶ③

間が空いてしまいましたが、課題の分離=タフラブを考えるシリーズの最終回です!

過去記事は以下をご参照ください。

★課題の分離・タフラブとは→不倫は誰の問題?人間関係を解決する、課題の分離=タフラブとは
★ タフラブの由来→課題の分離は相手への愛。信田さよ子「タフラブという快刀」に学ぶ①

★タフラブの実践例→課題の分離を実践するために必要な知恵と具体例。タフラブという快刀に学ぶ②

今回は最後に「タフラブに生きるために必要な心構え」がテーマです。

参考図書はこちら↓

本書の中で信田氏は断言しています。

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タフに生きることは、誰にでもできる

では、タフラブを実践していく=タフに生きるために必要なことは何でしょうか。

信田氏は一つだけ答えを挙げています。

寂しさとともに生きること

人はなぜ、密着した愛を欲するのか。一心同体でありたいと願い、自分の一部であると思い込むのか。
それはそう思える相手がいることで、人間だれもが抱える寂しさや孤独から解放されるからだ。裏を返せば、こうした愛を手放すことになる「タフラブ」は、寂しさを覚悟しなければならない。タフに生きることは、寂しさと共存して生きることだ。

本書ではそう説明されています。

こじれる人間関係というのは、相手のことに深入りしすぎていることが原因のことが多い。自分以外のことに没頭するのは「共依存」とも言われます。

誰かのために人生を捧げるのは大変だったり苦しかったりする反面、実は「満たされている」という面がある。
問題のある親、子ども、パートナー・・・
相手の問題を自分が引き受けて大変になっている間は、肉体的にも精神的にも、とても忙しい状態。

そんな中、「相手の問題は相手のもの」と手を放したら・・・?

解放感、安堵感だけでなく襲ってくるであろう感情が、寂しさ。
一心同体と思っていた相手との距離を自覚することは、自分が一人だということを自覚することでもあります。

けれどここで相手の問題からうまく手を放せないと、親子であれば「親離れ・子離れ」ができない状態、夫婦であれば「共依存」、その他の人間関係であれば、より問題がこじれていく・・・
そんな悪循環になっていきます。

「寂しさ」を引き受ける覚悟のうえで成り立つ、タフラブ。
とはいえ信田氏も「言うは易しで、なかなか難しい」と書いています。

アドラー心理学でおなじみの「嫌われる勇気」と似ている気がします。
頭で理解するのと、心と身体で納得するのには大きな開きがあるような。

私もシリーズ最終回を書くにあたって、しみじみと考えていました。
寂しさと共に生きるというのは、実はすごく難しいことではないか、と。
言い訳ですが、日々の忙しさとそんな迷いから、更新も滞ってしまいました(^^;

かくいう私は、今は全然「寂しくない」毎日を過ごしています。
理由は単純で、「小さい子供がいるから」

そんな毎日は別の忙しさやストレスがあるものの、「寂しさ」とは無縁の日々です。
もっと一人の時間がほしいくらい!!

けれど当然、子どもの成長と共にだんだんと私から手が離れていくわけで、その時に自分は果たして「寂しさと共に生きる知恵」が身についているのだろうか?
昔よりは成熟しているのだろうか?

答えはわからないので、ここはいったん置いておきます(^^;

さて、本題に戻って「寂しさと生きる」ことを考えてみます。

寂しさと共に生きるための具体的な知恵

①人間関係を複数用意すること

私のおすすめは、目的別の人間関係を複層的に用意しておき、用途に応じて使い分ける方法だ。旅行をするなら気心の知れたこの仲間、食事に行くなら味覚の合うこの人たち、映画を観に行くなら感性が近いこの人たち、愚痴を言いあうなら後腐れのないこの人たち…。そんなふうに決めておき、その時々によって、用途に合った人たちの中から都合がつく人を見つけ、行動をともにするのだ。

それでは浅く広くの人間関係しかできないではないか!と思う人もいるだろうが、それでいいのだ!
ある特定な人に「かけがえのない存在」というディープな幻想をもたない方がずっと楽に心地よく生きていけるだろう、と信田氏はまとめています。

この話を先日友人にしたところ
「えー!それは寂しい。だったら何のために結婚するの?」と言っていました(^^;
彼女は旦那さんととても仲良しで、問題があっても(お互いに)話し合って解決ができているタイプ。今はそこになんの問題も不満もないので、無理に問題を「切り分ける」必要もないのでしょう。

信田氏のアイディアは万人への答えではないかもしれませんが、けれど、特定の人間との関係に行き詰って悩んだ時には有効なアイディアだと私は思います。

もう一つ、私なりの「寂しさと共に生きる知恵」を考えてみました。

②自分の心が満たされる時間をできるだけ多く過ごすこと

信田氏の「浅く広く人間関係」案はとても良いのですが、私自身は浅く広い人間関係があまり得意ではないのです(^^;
深く本音で話せる友人以外といるくらいなら、一人でいるほうが幸せを感じるので。
そして一人でいる時間の中でも、大好きな寺山修司の本を読んだり、ブログで思いを書いたりするのは至極の時間。

こんな時間を少しでも多く持てれば、寂しさに振り回されること、それによって人間関係の必要以上の問題に巻き込まれることは減ってくるのではないでしょうか。

言うは易し、かもしれませんが、そんな「自分なりの豊かな時間の積み重ね」がタフな人生につながっていくと感じています。

信田氏のタフラブを考えるシリーズはここで終了しますが、

寂しさと共に生きながら、愛を持って成熟していくこと

ここは引き続き私のブログテーマとして考えていきたいと思っています!

信田氏の「タフラブという快刀」には、ご自身のカウンセリングに基づくたくさんの具体的なケースが載っています。

刀のように鋭く、けれど信田氏の愛に満ちた眼差し(まさにタフラブ!)を感じる一冊です。
タフラブにご興味のある方はぜひ一読をおすすめします!!

長々とお読みいただきありがとうございました<(_ _)>

☆本日のまとめ☆

タフな愛(タフラブ)を実践するために必要なことはたった一つ

◎寂しさと共に生きること

そのための方法は二つ

①浅く広い人間関係を複数持つこと

②(一人でも)心が満たされる時間を積み重ねること

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