人間関係に悩んだとき、私が「最も」役に立つと思っている考え方
「課題の分離」
についてのテーマです。
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大変ありがたいことに、最近お問い合わせやメッセージをいただくことが増えてきました。
温かいお言葉の数々に、PCの前で小躍りするとともに(怪)
何か少しでも、お役に立てる言葉をお届けしたいと襟を正す思いです。
さて、そんな読者様との交流から思うこと。
アドラー心理学の祖、アルフレッド・アドラーも言いました。
「すべての悩みは人間関係によるものだ」
であるならば、人間関係がうまくいけば人生はどんなに開けていくことでしょう。
とはいえ、数学の公式のように明確な答えはもちろん、ない。
けれど私の経験で、「一つ」役に立ったキーワードを挙げるなら、
迷わずそれは
課題の分離
という、アドラー心理学の考え方だと思っています。
(このテーマでも記事を書いています)
→子どもの精神力を鍛えるために、親が意識したい「課題の分離」
→アドラー心理学:課題の分離・横の関係・見守り・勇気づけ。子育てにどう生かす?私の事例
私はこの考え方を知ってから7年が過ぎました。
今では自分の中の一部になっており、ふとしたときに
「これは誰の問題かな?」と考えるくせがついてるほどで、
人さまにもぜひおすすめしたいキーワードだと思っているのですが、
よく
「課題の分離??なにそれ?むずかしーー」
とか
「相手の問題です、なんて冷たすぎる対応。かわいそう」
などと反応をいただくこともあるので、
それに対しての解説や、課題の分離の「コツ」をご紹介いたします。
課題を分離することは「愛」である
課題の分離を一言でいうと、
「何か問題が起きたときに、それは『誰』の問題で、
その問題の責任(結果)を負うのは『誰』なのか」をはっきりさせること。」
子どもが宿題をしないのは『誰』の問題?
上司がイライラしているのは『誰』の問題?
夫が浮気をするのは『誰』の問題?
そして、
『誰』=自分以外
だった場合には、むやみにその問題に介入してはいけない。
そこをしっかり「線引き」しましょう!
ということ。
私の経験から例を挙げます。
夫が不倫(浮気)していることが分かった時。 表面的には夫を責め、怒る、
その一方で妻(私)は内心
「私が悪いからこんなことになってしまったんだ・・・・・」
自分自身のことも責めてしまう。
客観的にみると
いやいや、妻は関係ないっしょ!悪くないでしょ!
と思われるかもしれませんが、
上記のように自分を責め続ける妻はとても多いのです。
私だけでなく、 (不倫・浮気問題の)お悩み相談を受けていた時、同じように悩む女性が多くてびっくりしました。
(私から見たら、主婦として・母親として・女性として、とーーーっても素敵な方たちなのに、自分を責めるなんて・・・。)
当時の自分に声をかけられるなら、伝えたい。
「不倫をするという選択をして、その結果を引き受けるのは『夫』の問題です。
その夫と『今後どう関わっていくのか』を選択し、その結果を 引き受けるのは『妻』である私の問題です。」
ここを混同してしまうと、問題も複雑になり、
ストレスも増え、ますます解決からは遠ざかってしまう・・・。
もちろん、不倫など夫婦の問題に限ったことではありません。
職場の人間関係にストレスを感じる会社員、
子どもの問題行動に悩む親、
親からの干渉に悩み子ども etc
関係が近ければ近いほど
「誰の問題なのか」
を切り分けるのは難しくなります。
けれど、難しいからこそ大切なのです。
最近多い、家庭内で起きる悲劇的な事件。
身近な関係こそ、問題がこじれたときには取り返しのつかないことになりやすい。
そんな危機感を感じます。
さて、問題を「切り分ける」としたときに、優しい人ほど感じてしまうのが
罪悪感。
「相手の問題だ、と突き放すのは無責任だ。冷たい行動だ」のように・・・
そんな方には、課題の分離に替わるキーワードを知っていただきたい。
それは
タフラブ
という言葉。
私が課題の分離を知ったのは、アドラー心理学が有名になる前。
他書物で知ったのでした。
心理士の信田さよ子さんによる、この本。
序章にはこう書かれています。
苦しい現実を「耐える」のにもエネルギーがいるが、日本では「耐えない」ことにもエネルギーがいる。
「これ以上、あなたの面倒はみたくありません」そう声に出すだけでも大変な勇気がいる。
日本の家族や社会は、離婚や親子の分離などの「切断」を激しく忌避する傾向にある。
そうした中で、ある種の切断を意味する「タフラブ」を実行するには、外科手術にも似た大きなエネルギーがいる。周囲から非難を浴びせられる可能性も高いだろう。タフラブは、その大変さ、そして「あえてその大変なことをやるのだ」という覚悟をも含んだことばなのだ
そう、日本の社会はことに
「相手のために」を美徳としてきた文化。
親のため、夫のため、子どものため・・・
誰かのために滅私奉公するのが美しいとされてきた。
明治の「おしん」ほどじゃないにせよ、現代を生きる私にもそんな日本人DNAを感じることは日々ある。
が、本書の帯にはタフラブ=
「愛の革命」
と書かれています。
×包み込む愛、尽くす愛、耐える愛、
×「救ってあげる」「私しかいない」「かわいそう」
↓
(タフラブではこう考える)
◎手放す愛、切り分ける愛、断念する愛
◎「見守ってあげる」「それは私の問題ではなく、あなたの問題」「これ以上、面倒はみたくありません」
大事なのは、問題を切り離すことは突き放すことでも見捨てることでもなく
「愛」
あるからこその選択だということ。
愛があるからこそ、問題を切り離すのが最善なのだということ。
詳しい内容は次回にご紹介しますが、私はこの「タフラブ」に出会えて本当に良かったと思っています。
先に例に挙げた、我が夫の不倫問題。
あの時に
「私が妻として至らないからだ」と自分の問題にすり替えていたり、
逆に、夫に不倫をやめさせようと彼の問題に介入ばかりしていたら、今の平穏な生活は絶対になかったと断言できます。
ある時を境に
「私は私のできることだけにエネルギーを注ごう」と決め、
私のできること=私がどういう暮らし、生き方をするかの選択をすることに集中し、
離婚も決意しました。
その頃から、ようやく夫が自分自身の問題に向き合い始めるようになりました。
(結果的に離婚せず今に至っています)
おこがましいかもしれませんが、私が「タフラブ」を選択したことは、夫にとっても最善の道だったと私は信じています。
(本人はまったくそう思ってないだろうけどw)
☆今日のまとめ2ポイント☆
人間関係の悩みに最有効な「課題の分離」について
①課題の分離とは
「その問題が『誰の』問題なのかを明確に線引きすること」
②課題の分離とは
「愛があるからこそ、選択するべき考え方。タフラブともいう。」
タフラブについて、次の記事で詳しくご紹介します!
コメント
勉強になります。
いい歳して親との付き合い方で本当に悩んでいます。
基本的に、長年に渡り「疎遠」なのですが、たまに持つ小さな接点でも悶絶します。
友人に打ち明けたら、もう結婚した身なのだから嫁いだ家で幸せになれと…
そういう事なのかもしれないですね。
けむりさんが不倫を乗り越えたことは、
本当にすごいことだと思います!
うちの親なんて70近いのに恨んでますよw
自分で自分を苦しめる事の無意味さを見ますよ。
リスリスさま
コメントいただけて嬉しいです!!
ありがとうございます
自分でははっきり自覚することもないですが、
「ああ、私乗り越えたんだなー」としみじみ思えました!
温かいお言葉、本当に嬉しいです。
親御さんが同じような思いをされたのでしょうか。
私は不倫の相談を受ける活動もしているのですが、
(私より)上の世代の方は特に
「長い間、こんなに自分を抑えて夫に尽くしてきたのに・・・」
という思いが強いからこそ、恨みが手放せない方が多いです。
女性に自由が少なく、我慢を強いられてきた「時代」の
被害者でもあるのかなと思うと、胸が痛みます。
それでも、ご友人が言う通り
リスリスさまはご自分とご家族の幸せに専念されるのがベストで、
「疎遠」というのはとても賢い選択だと私は思いますー!!