毎日かあさんでおなじみの漫画家・西原理恵子さん。
「男に頼り切るのは危険。自分で稼いで。おすしと指輪は自分で買おう」
そのメッセージがネットでも話題になっています。
☆女の子へ「寿司と指輪は自分で買おう」 西原理恵子さん(朝日新聞デジタル)
つまり、女性であっても仕事を持ち経済的に自立しよう!ということ。
それはすなわち「専業主婦ではない」という生き方の選択でもある。
女性にとっての幸せな生き方とは?
私なりの考察を書いてみます。
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毎日かあさんはもちろん、西原理恵子さんのエッセイも面白くてよく読んでいます。
(↑西原さんならではの一味違う人生相談がおもしろかった)
一貫しているメッセージは冒頭にもある
「女性であっても仕事を持ち、自立しよう」というもの。
自身が貧困や配偶者の暴力など、多くを乗り越えた経験からの信念なのでしょう。
アラフォーの私。
バブル崩壊を経験しているいわゆるロスジェネ(ロストジェネレーション)世代。
思春期に父の借金発覚&自己破産も経験し、
「お金がない」と泣く専業主婦の母親と祖母を見ていたので
「私は一生働く!稼げる女になるぞ!」
と胸に刻んだものでした。
時代も女性活躍を進める流れになっていたし、西原さんだけでなく
「女性も自立」というメッセージは意識すればたくさん目に入ってきました。
身近な女性(祖母・母)は専業主婦だったけれど、メディアや書物で見るような
憧れの女性たちの言葉にも励まされ、大卒後はずっと働き続けている私。
子どもが生まれてからは正社員という道を捨ててしまったので、収入は激減し
肩書もへったくれもありませんが、それでも
「一生働く」と決めた思春期の誓いは常に自分の内側にあるのを感じています。
なので、「女性も自立せよ!」という西原さんのメッセージは私にとって
背中を押してくれるような、勇気をもらえるような金言なのです。
が、ここで考えたいこと・・
専業主婦(=自分では稼がない女性という生き方)はダメなのか
私自身は(家事も苦手だし)専業主婦願望が全くなかったので
選ぶも何もなかったのですが
子どもが生まれて、そのつながりから専業主婦のママさんとも関わることが増えました。
(長女が小学校に入ってみて、保育園=共働き家庭の方が少ないことにびっくり。
待機児童の激戦地域ですが、それでも共働き割合の方が少ないようです)
専業主婦、と言っても生活も性格も十人十色ではありますが、
◎ていねいにお料理をつくる
◎おさいほうで手作りをする
◎小さい子供と四六時中一緒に過ごす
◎旦那の帰りを夕飯を食べずに待つ
などなど。
どれも私は苦手なことなので(爆)
見ていてすごいなあと思うこと、しばしば。
そして何よりすごいと思うのは
こういう専業主婦的なおしごと(家事・育児その他)は「報酬が見えにくいこと」
給与という対価で支払われるわけではないし、そうそう毎日家族から
「ありがとう」なんて言ってもらえない。
それでも粛々と自分の仕事をこなしていけることは一つの才能ですし、
ましてそこに(義務感ではなく)「やりがい・幸福感」を感じられるのであれば
とても素敵なことだと思うのです。
専業主婦のママさんの中には
「私は働いてないし、稼いでないし」と謙遜する人も多いのですが、
実はたくさんの(私から見れば尊敬べき)他者貢献をしている。
そこを、「お金を稼いでいない」という点だけで卑下する必要はないし、
卑下されることを認める必要もない。
女も稼ごう!というメッセージは、気づかぬうちに
「稼がない女はダメだ!」というメッセージにもなり得ることの危険を感じています。
その意味で(私自身は大賛成なのですが)
西原さんのメッセージは偏りがある感じが否めません。
私自身は、「働き続けたい」という信念を持ち、それに従って生きてきた。
それでよかったし、これからもそうしていきたいと思っています。
それが私にとっての「幸せ」です。
けれど同時に、自分とは違う選択(働かない、結婚しない、稼がない等)も
尊重されるべきだとも感じているのです。
タイトルにある「専業主婦vs兼業主婦」
対立的にとらえられる両者ですが、その答えは一人一人の胸のうちにしかない。
試行錯誤しながら「自分としての」答えを出していくしかないものなのです。
その答えを出す過程で、
いろんな人の生き方、いろんな価値観に触れることは選択肢を広げてくれる。
私にとっては
真逆の価値観=専業主婦友達との出会い、でしたが
西原さんの価値観に世界が広がる女性もたくさんいるでしょう。
冒頭のメッセージ。ご自身の娘にも伝えたいと西原さんは書いていますが、
私も娘たちに伝えたいことは何か、考えました。
専業主婦と兼業主婦。
どちらにもメリット(幸せ)があり、どちらにもデメリット(苦労やリスク)があること。
そのできる限り多くの情報と、私自身が何を選択したかという経験。
その上で
娘たちには自分の手で「自分はどう生きたいか」を選び取っていってほしいということ。
それを伝えたいなー。
一人一人が自分の人生を選び取る生き方。
自分にとっての幸福とは何かを突き詰めること。
西原さんのメッセージはそれを問いかけてくれているのかもしれません。