私の大好きな人、寺山修司のことばをご紹介します!
先日「自分が小さい頃に好きだった本を読むと、自分について見えてくることが多い」という服部みれいさんのことばを紹介しました。
(記事子育てに迷った時の秘策!服部みれいさんおすすめアイディア~小さい頃に好きだった物語を読み返す~)
私も読んでみよう。そう思い立ち、本棚の前で手にとった宝物の本。
「寺山修司少女詩集」
何度も「断捨離」を思い立っては、たくさんの本を手放してきました。
そんな中、絶対に捨てられない、大切な一冊がこれなのです。
寺山、といえば「職業 寺山修司」と自身でも書いているように、多彩な経歴の持ち主。
演劇でも有名ですが、詩・短歌などの文芸においても素晴らしいことばを残しています。
(参照ウィキペディア)
青春時代にたまたま手にとったこの詩集。
もう寺山が亡くなった後のことでしたが、その言葉のエネルギーに魅了され、貪るように彼の書物を読んだ日々。
久しぶりに開いてみました。
私の、寺山修司のおすすめの詩と、そこから見えてきた「自分」について書いてみます。
少女詩集より、心に残っている詩
一ばんみじかい抒情詩
なみだは
にんげんのつくることのできる
一ばん小さな
海です
泣いてもいいんだよ
涙を流すのは美しいことだよ
そんな風に肩を優しくたたかれたような気持ちになります。
ひとりぼっちがたまらなかったら
私が忘れた歌を
誰かが思い出して歌うだろう
私が捨てた言葉は
きっとだれかが生かして使うのだだから私は
いつまでも一人ではない
そう言いきかせながら
一日中 沖のかもめを見ていた日もあった
この詩、今でも心の奥にずーーんと響きます。
孤独感を感じているのは私だけではないんだ、と。
けむり
言葉で
一話の鴎(かもめ)を
撃ち落とすことができるか言葉で
沈む日を
思いとどまらせることができるか言葉で
バルセロナ行の旅客船を
増発できるか言葉で
人生が始まったばかりの少女の薄い肩を
つかむことができるか私は
悲しくなると
けむりを見ている
孤独感を「言葉を使う」ことで癒せるかもしれない。
その可能性と、同時に起こる不安。
相反する感情も、「けむり」という一言に癒される気がするのです。
(管理人ネームけむり、はこの詩に由来しています🌿)
ちなみに、私が最も好きな詩は「流れ星のノート」
以前の記事に登場しています→ひとりぼっちが辛かったら・・・届けたい、寺山修司の詩
改めて読み返してみて感じること。
それは自分が青春時代の圧倒的な孤独感。
両親もいたし、それなりに友達もいたけれど、そこはかとない孤独感に苛まれていた自分。
すっかり忘れていたあの頃の痛みがちくりと蘇ってくる感じがしました。
だからこそ、寺山の孤独感やそれを包み込むような眼差しに救いを感じていた気がします。
そして今の自分。
不器用で選択しては失敗する、しくじりばかり。
同時に、その経験を糧にしていきたいという野心。
そんな思いが誰かの役に立つことができたら、と始めたブログ。
「言葉の力」を信じてつなげていきたい
-そんな原点は、青春時代の寺山の言葉にあったのだなあと、改めて感じています。
久しぶりに読み返した「宝物」
そこには自分のエネルギーの原点がありました。
時代を超えて魅力のあせない、寺山修司の言葉。
またご紹介していきますね!