今日はアドラー心理学ではカバーしきれない部分についての考察です!
特に、アドラーがフロイトと決別した一因でもある
「トラウマの存在」
先日のアドラー勉強会で
「ほんとうにトラウマは存在しないのか?」という話題になりました。
ベストセラー嫌われる勇気、の中で哲人(アドラーの専門家)は
「過去のトラウマはない、大切なのは未来にどうしたいかという目的だ」
と言っています。
過去の傷よりも未来に思考を向けるというのはとても画期的ですが、同時に、
不慮の事故・事件などなどで大きな心の傷を受けた人も、本当にトラウマにならないのか?
私も引っかかっていたところでした。
結論。
「トラウマは、ある」
と、講師の先生。
アドラーの専門家の中には、アドラーはトラウマの存在も認めていた、と提唱する人は多いようです。
(トラウマの否定、は嫌われる勇気の著者の考えだったよう。)
だからこそ、アドラー心理学は
「健康な人向けの哲学」
と言われることも多いそう。
PTSDのように、過去の苦しみが現在をどうしても不自由なものにしてしまうことはあるでしょう。
そんな人に
「未来の目的を考えるのが大事」
といっても、追い詰めるだけになってしまう怖さがあります。
幸せになる勇気の中でも、心理状態が復讐や無気力になってきたら、専門家を訪ねろという助言が書かれていました。→
本当に自分では耐え切れない、どうしても未来を考えることが難しい。
そんな状態のときは、無理して前を向く必要はないのです。
そして、その時に必要なのは
助けを求める勇気
なのだと思います。
アドラー心理学の教えは実践的なものが多く、私は大好きです☺
でも人に勧めるときには、まずその人の悩みや状態を知ることが大前提なのだと確認しました。
先の勉強会。
メンバーの1人が、言っていました。
「夫との不和に悩み、なんでこうなってしまったんだろう。なんで結婚したんだろう。過去をさかのぼって原因探しをずーっとずーっとしていた。でも、原因が浮かんだところで、どうしようもない。途方にくれていた時に、アドラーの
『これからどうしたいのか』という目的論を知り、目からボロボロうろこが落ちたんです」
私も全く同じ経験があるので、うなずくことばかり‼
原因がわかっても、現状は変わらないー!
そんなジレンマが溜まってきた時こそ、新たな教え-目的を考える-が、心に染み渡るのかもしれません。
でもそのあと、先生を始め一同で納得。
「原因にはまって悩んだ時期も、無駄じゃなかったよね」
そう、あの時間があったから今がある。
色んな引き出しを持って、必要な時に必要な段をそっと開けられたらいいですね✨