今日は子育て中の方にはぜひ一度味わってほしい、素敵な詩のご紹介です💖
前回の記事で「ほめる」子育ての持つ危険性に触れました。
→☆ほめる子育ては危険?良いほめ方と悪いほめ方、村上春樹に学ぶ
「相手を自分の思い通りに動かしたい」というコントロール目的の「ほめる」は害となりうること
ほめるときは、相手のことを知った上で「本心」から伝えることが大切。
近年ブームのアドラー心理学では
「他者の承認は必要としない」としています。
その理由は
「他者の承認を目的にしてしまうと、本当の自分の願いや欲求に気づけなくなってしまうから」
ベストセラーになった「嫌われる勇気」のタイトル。
あえて嫌われることをしろ!ということでは決してないですよっ(笑)
たとえ嫌われても、「自分の幸せ」を求めることを優先せよ!
そんな意味が込められているようです。
我がブログのタイトルでもある「幸福力」を高める子育て。
そもそも、「何が自分にとって幸せなのか」を感じるセンサーが鈍ってしまったら、
何を持っていても
何に属していても
幸福だという状態には程遠いのではないでしょうか。
仕事で社会人の方と面談を重ねるにつれ、その人の「幸福感」って
どんな会社にいる
いくら財産がある
といった条件に比例するものではないんだなあと感じいることが多いです。
戦時中のスローガン「お国のため」が、「会社のため」に変わった、高度経済成長期。
それによって経済大国が日本が出来上がった。
その一方で、自殺率や離婚率、児童虐待などのひずみも増している。
だからこそ現代は
外側にある「○○のため」ではなく「自分自身のため」が
大切な時代になっていると感じます。
ともすると、ワガママ、利己主義、果てはモンスター💀
そんな風に思われがちな「自分のため」ですが、決してそうではない。
自分の気持ちや体、自分にとっての「幸せ感」を大切にすること。
そんな「自分」だったら、きっと有り余る慈愛を、周りとも分かち合えると思うのです💕
とはいえ、心から自分を愛する、なんて難しい💦
きっと、時間をかけて大切に育んでいくものなのでしょう。
子育てのように・・・
そう感じさせてくれる、珠玉の詩をご紹介。
吉野弘さんの、奈々子に。
奈々子に 吉野弘
赤い林檎の頬をして
眠っている 奈々子お前のお母さんの頬の赤さは
そっくり
奈々子の頬にいってしまって
ひところのお母さんの
つややかな頬は少し青ざめた
お父さんにもちょっと
酸っぱい思いがふえた唐突だが
奈々子
お父さんは お前に
多くを期待しないだろう
ひとが
ほかからの期待に応えようとして
どんなに
自分を駄目にしてしまうか
お父さんは
はっきり
知ってしまったからお父さんが
お前にあげたいものは
健康と
自分を愛する心だひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう自分があるとき
他人があり
世界があるお父さんにも
お母さんにも
酸っぱい苦労が増えた
苦労は
今は
お前にあげられないお前にあげたいものは
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ